それが彼女の使命だったので、彼女はそれを葬りました つやつやと光って美しい、けれどもうなんの価値も持たないものたち 少しブルーがかった小瓶にそれらは詰まっています 彼女はまったくためらうことなく、ビンを川の底へと投げ入れました どぽん、という鈍い音がして、たちまちビンは見えなくなりました この川がとても深く、しかも底にはたくさんの泥がたまっていることを彼女は知っています もともと人がめったに近寄らない森ですし その上恐ろしく深いこの川には、どんな物好きですら入ることはないにきまっていました だからこそ忌まわしいビンをこの暗い闇の中へと捨てたのでした 彼女はいま、清々しい顔で手についた泥を落としています そして来たときと同じように、小石や木の葉を踏みしめ、 およそこんな森の中では不似合いなヒールの高い靴をこつこつと言わせながら、彼女は去っていったのでした さて、彼女の一連の行動を、物陰から見つめていたものがいます あおみどり色の蛇です 蛇は彼女に見つかるのが怖くて、(それは蛇にとってとても不本意なことでしたが)今まで木の陰に隠れていたのです 彼女の姿が見えなくなったことを何度も何度も確認したあと、 蛇はあおみどり色の美しい鱗をきらめかせながら、川岸へと近づきました。 (いったい、あの女はなにを投げ捨てたのかしら) ほんの少しだけ体をつきだし、川の底をのぞきこんでみますけれども、 そこにはただ、緩やかな水流に自分の顔がゆがんでうつっていただけでありました |